緊縛(きんばく)
SMでの緊縛はM側の人間を縄(主に麻・綿でできた縄)で身動きを取れないようにきつく縛ることを言います。
関節の自由を利かなくして、抵抗できないように縛ることで、縛られるマゾヒスト側は束縛感・不自由感で支配されていると感じ悦びを見出すプレイとなります。逆にサディストの縛る側は、その動けなくなったパートナーの姿を見たり、さらに陵辱することで性的欲求を満たすようなプレイへと発展します。
縛る側は当然緊縛の知識を必要とし、素人がやるとパートナーを傷つけてしまうことになるため、十分気をつけなければいけません。
この緊縛は縄の結びや形と主に女性との組み合わせが美しいとされ、近年芸術的要素を含むことがあります。
緊縛師などといった緊縛を生業としている人もいて、その作品(写真やライブなど)の中での緊縛はSMというよりも日本独自の芸術作品です。
緊縛は日本独特の文化です。始まりは手錠などの発展がなかった江戸時代の罪人の拘束です。
日本ではもっぱら縄での拘束を用いていて、身動きの取れない逃げれない縛り方が多く考えられました。
その後明治時代に入り、緊縛された女性の姿などを描いた絵などが現れ、その姿を美しいと感じたり、性的興奮を覚えるといった性的嗜好が生まれます。
そして近年になってより性的なイメージを強めていくのと共に、SMの大きな位置づけとして取り入れられていったのです。
緊縛の方法はかつての武家社会で生み出されたため、多種多様の緊縛法が考案されてきました。
どれも日本独自の文化で、縄の縛り目や形に美しさや趣を感じることが多くあります。
中でも亀甲縛りは緊縛の中で有名で、縄目が六角形を作り見るからに美しい緊縛であります。
緊縛の主な縛り方
- 高手小手縛り:一般的な縛り方の一つで、後ろに手を組んで、手首を肘より上に縛り、胸の上下に胸縄を巻く方法。
- 合掌縛り:背後に回した手を合掌させて固定する縛り方。体が柔軟でないと難しい。
- 後頭両手縛り:両手を頭の後ろで組んだ状態で縛る縛り方。西洋では服従のポーズ。
- 海老責め:足は座禅を組ませ、そのまま正面から頭を足に近づけ固定する縛り方。体が海老のようになるためこう呼ばれる。
- 逆海老(ホグタイ):上半身を縛り上げ、足は背中から頭に近づける縛り方。ホグタイは豚を吊るすの意。
- 座禅縛り:座禅を組んだ状態で足を縛る方法。通常手は背中側に固定する。
- 亀甲縛り:有名な縛り方。首にかけた二つに束ねた縄を股間から背中に回し、余った縄で手首を固定し、正面の縄を開くように固定する。その際に胸のあたりに六角形を作る。縄目が美しいので見栄えがする。
- 菱縄縛り:亀甲縛りと似るが、正面の縄目が六角形ではなく菱形を作るように縛る方法。
SMプレイではこの緊縛された状態に他のプレイを複合的にあわせて、性的興奮を高めたり満たしたりします。
緊縛はゆえにS側の支配しているという感覚とM側の支配されているという感覚で綺麗に成り立つプレイのひとつといえます。
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